こんにちは。truestar工房の、ひらいです。
truestar工房では、Tableauをはじめとする既存ツールがより使いやすくなるような、様々な便利ツールを開発しています。
今回は、Tableauワークブックの中に含まれる数式を、一覧化して出力してくれるツールの紹介です。
よくあるお悩み
Tableauでは、データソースにはない項目を「計算フィールド」として新たに作成することができます。
単純な比率や差分、合計値から、Tableauの様々なギミックを実現するための計算式など、計算フィールドを1つも使用していないダッシュボードは無いと言っても過言ではありません。
しかし、大掛かりなダッシュボードになればなるほど、計算フィールドの数が増えていきます。計算フィールドから新しい計算フィールドを作ったり、そこからさらに新しい計算フィールドを作ったり……と、計算式の連鎖も長大になるでしょう。
そうすると、以下のような問題に直面します。
- 開発途中で似たような名前の計算フィールドがたくさんできてしまい、どれが正しいのか分からない
- 結果の数字が正しくないのだが、どの計算過程でミスが起きているのか探さなければならない
- 仕様書を作成する際に計算式の中身を書き起こす必要がある
計算フィールドの中身の計算式を確認するには、計算フィールドを1つ1つ開いて見ていくしかなく、数が多いと大変です。
Tableau Infoで一覧化!
というわけで、Tableauワークブック内に存在する計算フィールドの計算式を、取得してリスト化してくれるExcelツールを作成しました。
その名もTableau Info!
使い方は超簡単!
「Read File」ボタンをクリックして、対象となるTableauワークブックファイル(.twb, .twbx)を読み込みます。
するとこのように、データソース、列名(計算フィールド名)、計算式が、一覧として出力されます。
1つ1つ計算フィールドを開いて確認する苦行から解放されます!
複数の計算フィールドを比較してチェックしたい場合などに、力を発揮します。
仕様書などにもこのまま活用できるでしょう。
仕組みの解説
Tableauのtwbファイルの中身はXMLで、この中にあらゆる情報が記載されています。
詳しくは「tableauのtwbファイルを直接編集」の記事をご参照ください。
XMLの中で、計算フィールドは以下の形により定義されています。
<column caption="フィールド名" name="カラムID">
<calculation formula="計算式" />
</column>
フィールド名と計算式の組み合わせを全て抽出すれば、計算フィールドの一覧を取得できます。
ちなみに、計算式の中で別のフィールドを参照している場合、フィールド名ではなく、内部で設定されたカラムIDで指定されています。
カラムIDのままではどのフィールドか分からないので、カラムIDとフィールド名の対応テーブルも抽出して、計算式を表示する際に置き換えて出力しています。
XMLの情報を読み解けば、計算フィールド以外にもいろいろな情報を抽出できます。
本ツールも、現在は計算式の一覧を出力するだけの機能ですが、今後いろいろな情報を抽出できるようにアップデートしていく予定です。
※Tableauでは、twbファイルを直接編集することはサポート対象外です。twbの内部データにエラーがある状態で保存されると、Tableauで開けなくなってしまう可能性がありますので、直接編集する際はバックアップを取るなどして十分に注意してください。
ツールの入手方法
肝心のツールは、下記のGitHubに公開しました。
https://github.com/atelier-truestar/TableauInfo/
ファイル一覧の右上にある「↓Code」をクリックし、「Download ZIP」をクリックすると、必要なファイルがダウンロードされます。
ダウンロードされたZipファイルを展開し、中身の TableauInfo.xltm をダブルクリックすれば起動します。
ベータ版での無償共有ですので、動作保証や利用によって生じた不具合等の責任は一切負いかねます。ご了承ください。
導入支援やカスタマイズなどのサポートは、有償にて承っております。
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