Tableau-ID Tableau【TC19 Session紹介】企業にCoEが必要な理由
こんにちは!Yukoです。
TC19のセッションで得た情報を上げる!と言っておきながらすっかり年末になってしまいました…
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回はCoEが企業に必要な理由についてのセッションを受けてきたのでその情報を共有したいと思います。
受けたセッションはこちら↓
Zen Master: 50 Reasons Your Organization Should Have a Center of Excellence
Center of Excellence(センターオブエクセレンス)
組織を横断する部署やチーム、役割のこと。
ここでは特にTableauのノウハウなどを集約する役割を持つ人のことを指します。
この言葉の由来は1940~50年代にまで遡り、米国カリフォルニア州のスタンフォード大学で当時多くの優秀な学生が東海岸へ流出してしまうことを防ぐため、全米から著名な教授・スタッフを呼寄せ、学究拠点の中心とする施策から来ている。その後、様々な大学や研究機関での施策・拠点として発展、企業においても優秀・有識なリソースを集約し組織運営を向上化・効率化するという形で適用され、ITの分野でも使われるようになった。
(引用:COEってご存知ですか?)
去る12/23、2019年第2回総会 Japan Tableauユーザーグループでも、
Lightning SessionでSansanの清水さんも本セッションについて言及されていました。
TC19ではこうしたCoEの必要性やBlueprint等、組織のデータドリブン化の必要性について
たくさんのセッションで説かれてました。
これはTableauが広く浸透し、組織で多くの人に使われるようになった結果と言えるでしょう。
あるあるなところで言うと、
などなど…書き出したらきりがなさそうですね…。身に覚えのありまくる方も多いのではないでしょうか?
今回のこのセッションでは、CoEを作って運営するとこんないいことがあるよ!
的な感じで50の理由を紹介されていましたので、備忘も兼ねてまとめたものを紹介していきます!
(「え?これも1?」って言うのもあったので正確には50じゃない気がしますが…きりよく50にしておきましょう。笑)
組織をデータドリブン化するため、具体的にどんなことを取り組み、
何のためにやるのかを一人だけで抱えてはいけません。
経営層と現場で、価値観と戦略を共有することが何よりも大切です。
これから紹介する取り組みは、すぐに結果が出ることではないからです。
ステアリンググループであったりシニアリーダーだったり、まずは組織の上の人たちに取り組みを理解してもらいましょう。
そしてデータを見る人が直接会って話ができる人か、メールで話す人なのか、
タイムゾーンの違う相手なのか?相手に届く最善の方法考えます。
この時に必要なのは、ガチガチの規律にしないことだそうです。
規律が厳しいと誰もやらなくなってしまうからですね。
7.データカタログを使う
8.計画的に設計され、Serverに公開された最新のデータソースを活用する
9.ロジックを定義し、一貫したデータにする
10.透明性のあるレポートでデータ品質を所有する
先述した通り、有象無象のデータソースから正しい解を得るのは相当大変ですよね…。
組織が大きくなればなるほどデータも大きく、管理する必要があります。
弊社でもダッシュボード開発の際、「どのデータソース」に「何のカラム」があり、
そのカラムの「データ型は何か」などを極力整理したデータ定義書を作っています。
その際、Aのデータマートではこの計算で、Bのデータマートであの計算、等の
計算ロジックも整理できていると理想的です。
ここまで細かいのを作るのは大変ですが、様式はExcelで簡単なものでいいので、
こうしたデータカタログがあると後々絶対助かります!
データソースの信頼性も向上しますし、それはすなわち成果物の責任を持つことにも繋がるからです。
11.組織がどのように開発するか、リリースサイクルなどのプレイブックを開発する
12.標準デザインを決めて組織内でスタイルを統一する
13.Vizの標準を作って、ポジティブなUXを確保する
14.データを使う人、視覚化する人は誰で、誰が問題を抱えているのか、好奇心を持つ
15.難しいデザインである必要はなく、シンプルに保つ
16.時間やコストの節約、収入を創出できた成功例を記録する
17.ライセンス契約の在り方を検討する(直接契約はログインを可能にし、間接契約ではサブスクリプション機能・アラート機能など)
18.リソースを監視し、Vizの展開タイミングのベストを考えてサーバーをモニタリングする
19.レスポンスタイムやCPU利用率などのパフォーマンスをモニタリングする
20.Tableauのユーザー会などのコミュニティコンテンツを活用する
さぁ、より実践的になってきました…。
「組織や部門が異なるとダッシュボードサイズもバラバラだし、
あっちではパラメーターやフィルターが上に纏まっててくれたけどこっちでは右のほうに集中してる…」
これでは思考が妨げられてしまいますね。
Truestarでは、ダッシュボード開発の際、最初にテンプレートを作るようにしています。
デザインのベースを最初に決めてしまい、複数人で開発し始めてもデザインがぶれないようにするためです。
テンプレートがあれば、開発者が個々でデザインに悩む時間の節約にもなります。
また、デザインについての参考情報として、以下のページや書籍の紹介がありました。
The Big Book of dashboard
※洋書ですが、個人的にこの本はデザインに悩んだ際に私もよく使っています!
サンキーダイアグラムなど、難しくて実装に時間がかかるものが必ずしも必要というわけではありません。
皆がより早く正しく、インサイトを得られるデザインが理想的です。
やっぱりシンプルイズベストですね!
「いいVizなんだけど、重いんだよなぁ…」
「な~んかもっさりしててストレス…」
そういうVizはいつしか見てもらえず、埋もれてしまいます…
レスポンスタイムがかかるもの、CPU利用率が高すぎるものがないか、
あるのなら改善に向けてどうしていくのか考えます。
開発者の成長に合わせて、最適な環境を用意してあげる必要があるということですね。
21.アナリストが最新のTableauベータ版にアクセスできるようにし、最先端であるようにする
22.新しい機能のリリースがあったら、チームとしてどう採用できるか検討してベストプラクティスに組み込む
23.Tableauパートナーと契約し、新しい手法やアプローチの仕方を検討する
24.Tableau社の素晴らしい人の知識と経験を活用する
25.Publicを活用する
「言われなくてももうやっとるわ!」と言われそうですが、
Tableau Publicは素晴らしいVizの宝庫として利用しない手はありません。
特に#Make over MondayでおなじみのAndy KriebleさんのPublicは参考にできると紹介されていました。
私もとても参考にしています!
26.Tableauでどうユーザーをサポートするか、彼らのデータの読み解きを助けるために、ユーザーを理解する
27.新しいユーザーを採用し、彼らに「サポートされている」と感じられるようにする
28.データリテラシーを通じてユーザーに投資する
29.定期的なトレーニングを通じて、エンドユーザーにチームが見えるようにする
30.成功例を通じて人々がデータと積極的に関われるようにする
31.Tableauチャンピオンを特定し、彼らの熱意をネットワークに活用する
32.チャンピオンに褒賞を与え、特別な気分にさせてあげる
…ごめんなさい、The google翻訳!って感じですね。。。でもいい日本語が見当たらないんです(笑)語彙力…
でも要は、ユーザーが初めて見よう見まねで作ったものを見てあげて、
よりよくなるように改善点を提案してあげれば、ユーザーは「もっと使ってみよう」と思うはずですよね。
Tableauを使って分析したい、と思ったとき、ゴリゴリに使えるヘビーユーザーだけでなく、
これから始める人も、データに触れる敷居を低くしてあげるのもCoEとして大切なことだと思います。
また、素晴らしいものを作っているチャンピオンが組織内に出てきたら、
彼らの取り組みを発表してあげれば、モチベーションアップにもつながるはずです。
ちょっと周りを見てみたら、組織内のどこかで誰かがすでに別の方法でより良い取り組みをしているかもしれません。
33.Tableauコミュニティの参加を通じて、アナリストの継続的な学習を奨励する
34.学習をゲーム化して達成感を味わわせてあげる
35.認定資格を取った人が居たら賞賛する
36.継続的に能力開発を奨励し、人材を保持する
37.コミュニティの構築には時間がかかるが非常に重要
38.多くの場合アナリストは個性的な場合があるが、彼らの独創性を理解する(たぶんそういう意味…)
39.社内コミュニティはフォーマルである必要はなく、オープンであるべき
40.IT、アナリスト、人事、パフォーマンスチームなどの間に壁を作らない
41.スキルやバックグラウンドの異なる様々な人の多様性を受け入れる
42.COEが成功すると、組織は魅力的な職場になり、新たな才能を引き寄せる
43.コミュニティやパブリックを通じて他者から学び、ベストプラクティスを認識する
44.レビューやフィードバックを通じてアナリストをサポートし、孤立した状態にさせない
45.失敗を恐れず、間違いがあった際は学習とさらなる開発の機会だと認める
長~~~い!!だんだん疲れてきました…皆さん大丈夫ですか?笑
前述した、2019年第2回総会 Japan Tableauユーザーグループでも
NTT docomoの木村さんが紹介されていましたが、要は組織の中でゲーム感覚でスキルを向上させる方法です。
Fi GordonさんのTableau Quest The Playbookがセッションで紹介されていたのですが、
今の自分のスキルレベルが今どのあたりで、どうすればさらに上にいけるのか、ゲーム感覚で
RPGみたいにしている取り組みがあります。
これは楽しんでできそうでいいですね!
またまたFiさんの取り組みですが、レビューやフィードバックの際、
「I like …」「I suggest…」といったような支援的な言葉遣いを意識的にしているそうです。
そうすると人は守られていると感じ、アイデアをシェアしやすくなります。
要は、相手を否定しないこと。
様々な価値観、国籍、文化やバックグラウンドの人が組織にいると思います。
当然みんなスキルも違うし、見えるアングルも十人十色です。
また、失敗があった際は素直にその失敗を認め、別の機会に活かす。
躓きポイントやヒヤリハット集みたいなのは、同じであることが多くないですか?
大丈夫です、みんな同じ!
46.成果は証明できなければならない
47.CoEは他のビジネスと同様にROIを証明する必要がある
48.ROIを可視化するダッシュボードをTableauで開発する
49.組織のプロフィールを紹介し、成功したCoEたちを注目させる
50.CoE活動に高いコストをかける必要はなく、アジャイルであり続けることで効率的で費用対効果が高くなる
CoEの取り組みの結果、どれだけ時間が節約され、コストカットでき、収入を生むようにできたか。
結果もTableauでダッシュボードとして共有すれば、もうあなたの組織はデータドリブン化に成功していますね!
TableauがBlueprintを声高らかに説いている背景には、多くの企業がデータドリブン化に失敗してきた背景があります。
その阻害要因が「People」、「Process」、「Technology」であり、一番には人間だそうです。
組織で使うデータは一貫性を保っている必要がある反面、
Tableauはユーザビリティが高いがためにダッシュボードやデータソースが乱立しやすいので、
今後はそうしたガバナンスの部分でも旗振りが必要になっていく、というわけなんですね。
繰り返しになりますが、ガチガチにルールを固めて活動を委縮させることがあっては本末転倒です。
またこれらの取り組みは結果が出るのに時間がかかる旨を組織の上層部に理解してもらう必要があります。
今回は非常に長文になってしまいましたが、もし組織のデータカルチャー化に課題を感じていらっしゃったら、
参考にしていただければ幸いです。
Yuko