【おすすめの書籍】馬場真哉著『意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで』

【おすすめの書籍】馬場真哉著『意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで』 | Tableau-id Press -タブロイド-
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こんにちはtruestarの田中です。今回は最近読んで面白かった書籍についてご紹介です。

紹介する書籍は馬場真哉著『意思決定分析と予測の活用 基礎理論からPython実装まで』(講談社サイエンティフィック)です。

こちらなんと一部(第1章・2章)まで公開されていて、読み進めるかどうかは読者に委ねるという親切設計です。サポートページはこちら

本書のテーマはリスクや不確実性がある中での意思決定を予測を用いてどのように行うかです。

例えば、景気の動向を踏まえた上で、工場の機械稼働数をいくつにするか、という例があります。この時〇〇台数の時利益が最大化する、だから〇〇台数稼働させよう(行動)

と言える根拠となる予測をしなければ意味がないという内容なですが、これは闇雲にモデルの精度を向上させるといったことではなく、予測をする価値から検討していきます。

本書では「予測に基づいてとるべき行動の手続き」「予測がもたらす価値を評価する手続き」を重点的に説明しているのですが、

「予測→行動」がお題目ではなく、予測をした場合(そして忠実に従った場合)と予測をしなかった場合の利益差(得られる利得の期待値の差分)の算出方法(主に利得行列という一覧を手がかりにしています)などがコードとともに紹介されております。さらに予測結果を実際の行動レベルにして得られる利得までどう計算していくか、丁寧に手続きが記述されている点、私は目からうろこでした。

(利益差があまりないのであれば、モデルの精度向上、さらに予測そのものにコストをかける必要もない、ということも言及されています。)

理論や数式も多く、数学が苦手な人は一瞬怯んでしまうかもしれませんが(私もそうです・・・)丁寧に添え字の解説などをしてくれているので何度か読めば言わんとしていることはわかるようになると思います。とにもかくにも、リスクや不確実性の元、人の”選択行為”を数式化・定式化しなおかつそのままpythonコードのしてしまうというのがこの本の大きな特徴ではないでしょうか。

最近よくブログで紹介してるExploratoryにも予測に関する機能が複数あり(回帰や時系列、ランダムフォレストや決定木など)モデル評価の解釈もわかりやすく簡単に算出できます。予測をするまでのコストはだいぶ下がってきている昨今です。筆者の馬場さんが最近お書きになったブログで「意思決定問題が複雑で大規模であり、ありうる選択肢が膨大であるならば、この(とるべき行動の)推薦には、人間の労力の多くを軽減するだけでなく、狭い視野から脱却することにも役立つはずです。」とおっしゃっていますが、確かにそうだな、、と思います。

今回の著書はpythonをツールとして使用していますが、モデルの評価や作成などはExploratoryでも十分できますので、そのあたりはツールに任せて、「では、何をやらなければやらないのか(行動)」に焦点を当てていきたいな、と思った次第です。うっすらとしたブログになってしまいましたが、大変丁寧で勉強になる著書などで是非ご興味のある方は是非!

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