こんにちは、taharaです。今回はウェビナーを視聴して、データ人材としてスケールしていくにあたり参考になるお話を聞けたので、今回はその内容をまとめていこうと思います。
お忙しくウェビナーをじっくり視聴する機会が減っている方もいらっしゃるかと思いますので、ウェビナーを議事録的にまとめたものを前半パートに置きました。後半は、その中から印象的だったトピックに関しての感想を記載しています。
視聴ウェビナー|データ人材育成の鍵
今回私が視聴したウェビナーは、TableauのコミュニティData Famメンバーの方々による「データ人材育成の鍵 ーデータドリブン組織への道ー」です。タイトルは育成側の視点でついていましたが、視聴してみると私のような育成される側にとっても、とても有益な内容でした。ちなみに、私はTableau未経験でtruestarに入社して半年と、比較的育成される側の立場になります!
登壇者は3名。コニカミノルタジャパン株式会社の三田村さん、株式会社プリンシプルの仁田原さん、そして弊社truestarのRikaさんこと藤原さんです。みなさんデータに関わるお仕事をされていて、それぞれの視点から「データ人材を志した背景」「スキル獲得の壁をどう乗り越えたか?」「後進育成で意識している点」「今後取り組みたいこと/キャリア」といったテーマについてご自身の経験から考えをお話して下さる形式で進行していきました。
ウェビナー内容まとめ
テーマ1.データ人材を志した背景
■三田村さん
SIerとしてキャリアスタート。その後情報システム部門にて働く。行き詰まりを感じ退職後、自身の得意であったSQLを活かす形で派遣にて加工前のデータ抽出・データ加工の仕事を行うように。BIツール・データ活用も教えてもらえることに。システム部門としてデータを溜めていた働き方から、派遣先ではデータを使う働き方に変わり、データを使う面白さを知る。様々なユーザー会に参加し活用側の人間になりたいと思い、データ人材の道を踏み出す。
■Rikaさん
もともとは食品のマーチャンダイザー=バイヤーだった。この時に明確にデータに救われた。20代後半、未経験でありがら、会社の商談で苦労した。あらゆる意思決定が怒涛の様に行われる、緊急性の高いタスク・大きなビジネスチャンスの潜在性も加味していかなければならない。他のバイヤーはベテランばかりなので、経験に裏付けられた暗黙知を持っている。経験がないのは仕方のないこと、代わりにデータを見ればいいのよ、と上司にアドバイスを頂いた。データ=過去の集積を代替するものである。データがあれば、若くても、女性でも、ベテランの男性と同じように働くことが出来る、と感じた。
■仁田原さん
学生時代にさかのぼる。2年次のゼミをきっかけとした。学生生活ではデータが実社会にどのように活かされているのか?が分からず、パターンとしての知識のみが積み重なっていた。その中で、学外交流が増え、社会人としてデータを扱っている人と出合うことで、イメージがつき転機となった。LTを行う学習のコミュニティがあり、そこで発表した際に、社会人の方が興味を持ってくれた。
テーマ2.スキル獲得の壁をどう乗り越えたか?
■三田村さん
ツール、業務、統計的なもの、どれを学んだら良いの?と悩んだ。そこで活用している人と交流する為にユーザー会に飛び込んだ。エンジニア・アナリスト・ビジネスサイドの人と話すことで、こういうスキルがあればこのエリアで活躍できる、ということが見えてきた。紙に書き出すことでto doをこなしていった。例えば、WEBについて分析する為にHPを作ってみる等。 もう1つの壁として、数学的な理解だけは自力で行うのが難しかった。そこで、大人のための数学教室に通う。こういったときにうまくバランス良く投資を行うのが重要と感じた。
■Rikaさん
エンジニアリングのバックグラウンドがない。コーディングの壁にぶち当たった。ビジネスサイド・文系上がりで数字が苦手。データアナリストは結果の出力に必要なSQLをスイスイ書いていく。そこで挫折感を味わう。その次の転職先でtableauに出会う。コーディングはなくとも、オペレーションまでカバーできるツールである。それで勇気をもらった。tableauに出会った企業はtableauを導入してすぐだったので、仕事では機会に恵まれなかった。外部のイベントで、配布されたデータセットを分析しSNSでシェアしあう、というビジュアルベストプラクティスを毎週学んだ。世界中に仲間がいることで、楽しくて続けられることが出来た。
■仁田原さん
課題①ロールモデル不在 課題②手を動かす上での実力不足 課題①に関しては、コミュニティに出ていくことで、プレイヤーとして活躍される人と話し、自分のやっていきたいこと、必要なスキルを整理していった。 課題②に関しては、結合に関してもキーを間違えるだけで大きなミスになってしまう。師匠に改善点を仰ぐ。tableaupublic等から気になる表現のものを見つけて、ダウンロードして、自分なりに作成してみることを繰り返した。必ずしも業務でアウトプットする必要はなく、自分の興味のあるアウトプットを行うのも実力向上に繋がる。
テーマ3.後進育成で意識している点
■三田村さん
今まで自分がやってきたことを、トータルに包括して伝えていきたいと思っている。話す・伝える、聞き取る、書く・描く、読み取る、の4区分に落とし体系化。実践&成功体験が重要。1回2回その成功体験がつめると、データはこのように扱える・こういういいことがあるという感覚によって、研修が研修で終わらないようにすることを意識。
■Rikaさん
ビジネス側の意思決定をデータによって行えた、tableauのコミュニティのおかげで専門性を身に着けることが出来た=成功体験が20代後半30代前半で得ることが出来た。運がよかった。データが必要とされる時代になってからまだ浅いので、成功体験を積んでいる人はまだまだ少ない。どうやったら成功体験を積めるのか?Rikaさんの中で、人を変えられるのは人なのではないか?と感じるように。そこから人と人とをつなぐことで、新しい世界線を見てもらう、ロールモデルをみつけて貰うということに力を注ぐようになった。興味をもって人を見て、ホームに戻ってきたときに、こんなに素敵な人がいたんだよ!と繋いでいっている。データ人材はいろんな価値の発揮の仕方があるからこそこのやり方。コンフォートゾーンの抜けるのが怖い人には、1人で怖かったら2人で行こう。という声掛けを意識。
■仁田原さん
スキルとして身に着けても、突出した人材にはなれない、と思うかもしれないけれど、組織としてトータルで力になれば良いという意識で学べば良いんだよ、ということを伝えている。自分が学んだことをtableaupublicやGitHubで多くの人の目につくところに置いておくと良い。長年キャリアのある歌手の方の音楽性の変遷について可視化した時に、良いねがついたり、フィードバックをもらえたりした経験から。
テーマ4.今後取り組みたいこと/キャリア
■三田村さん
今はデジタル人材育成に取り組んでいる。例えばマーケ領域の分析だと、マーケティングのデータをやっていてもマーケターがいたりするが、今は分析~施策策定~改善まで一通りできる立場である。人ってどうやったら自ら学んで自分の成功を掴んでいけるのか、そういった風土を作れるのか、ということが面白い。ピープルアナリティクス、に興味がある。
■Rikaさん
データ業界は目まぐるしく変わる。短いスパンでスキルアップをしていかなければならない業界だと感じている。その中で、職種・業界も多く変わりチャレンジの連続であった。普通の方よりも、余暇の時間を自己研鑽に充てている。データ人材になったことへの後悔はなく、アドベンチャー感も好き、人との出会いがあってよかった、何か見るにあたっての解像度も高くなる。その解像度が高い感覚を多くの人に体感してほしい。今後はスケールしていきたい。データはスケールするほど価値を出しやすい。マーケは1対多の世界なので。ダッシュボードを作って提供するという1対1のフェーズから、データプロダクトを扱うといった1対多の世界に移っていきたい。
■仁田原さん
DWHの知見を持ったBIエンジニアになりたい。データアナリスト的な側面も持っていきたい。ダッシュボードを依頼を受けて終わり、ではなく、そこから何か提言をしたり、異常値があれば改善策を出していく、といったドメイン知識を持った提案が出来る人材になっていきたい。扱うデータをEC領域のものも扱っていきたい。そうすることでオムニチャネル、横断的に扱っていけるようにしたい。
印象的なトピックと感想
テーマ1.データ人材を志した背景
まずはこちらのテーマでRikaさんが話されていたことが印象的でした。Rikaさんはもともと食品のマーチャンダイザー(バイヤー)をされていたそうで、20代後半とまだ若く経験の浅い中、ベテランとしてバリバリ働かれている先輩方に囲まれて業務にあたっていたそう。意思決定のスピードも速かったようで、拝聴していてとてもプレッシャーがかかりそうな状況と伝わってきました。この時に、経験を代替するものとして「データ」を扱うようになったことで、周囲のベテラン社員と肩を並べて仕事を出来るようになり「明確にデータに救われた」そうです。そしてこのことがきっかけでデータ人材の道を歩み始められたとのこと。
このお話を聞いて、hard thingsを乗り越えられてきた姿がとてもかっこいいなと思いましたし、そこでデータがキーとなっていることに親近感を覚えました。私自身も前職ではマーケティングの部署で新しいプロダクトのリードを0から獲得していく必要がありました。10名ほどの企業で知見も予算もなく、最初は勘で手当たり次第に施策を打つような体制でしたが、データによる現状の可視化を行ったところから事実に基づきPDCAが回るようになり、最終的にはリードを恒常的に獲得できた経験があります。私もデータに救われた1人であり、もうすでに活躍されている登壇者の皆さんとスタートがちょっと似ているかも、と思いました。では皆さん、そのようなスタートからはじまってどのように活躍できるようになったのでしょうか。
テーマ2.スキル獲得の壁をどう乗り越えたか?
三田村さんはデータを扱うようになってから、ツール、業務、統計的な知見、どれを選んで伸ばしていけばいいの?という壁に最初にぶつかったそう。今いま駆け出しの私としてはとても共感です。この時に三田村さんが取られた行動は、エンジニア・アナリスト・ビジネスサイドの人ととにかく話すこと。その結果、こういったスキルがあればこのようなエリアで活躍できる、ということが見えてきたそうです。何も情報がない手探りな状態から、とにかく集められる情報を集めることで、徐々に業界の状況を抽象化し道筋を明確化されていったのですね。
そして仁田原さんのお話では、必ずしも業務だけからアウトプットの機会を得る必要はないということが印象的でした。仁田原さんは自分の興味のあるデータを用いてvizを作成し、人の目につくところに成果物を公開したり、コミュニティ等でフィードバックを貰う事を通して実力をあげられたそうです。ちなみに仁田原さんは長年キャリアのある歌手の方の音楽性の変遷について可視化されたそうで、面白そうだな~と思いながら聞いておりました。自分の興味のあるデータであれば、可視化の技術研鑽もモチベーション高く取り組めそうです。
このお話を伺って、当たり前ではありますが、やはり現在活躍されている方たちも最初から活躍までの道筋が見えている訳ではないのだなと感じました。様々な情報を収集しながら徐々に解像度を上げていき、業務だけでなく外部の機会も上手に活用しながら着実に実力をつけていく、そんな手段をとられていたんだと知ることができとても勉強になりました。
さいごに
このように先人の方々のお話を聞かせて頂ける機会があるのは有難いですね。直接お話を聞いても良いですが、普段なかなかお会いできない人のお話を聞くのに、ウェビナーは1つの有益な手段と感じました。これを機に他のウェビナーにも参加してみたいと思います。
こちらご興味ある方もいらっしゃるかと思うので、今回のウェビナーのアーカイブと、RikaさんのXのリンクを貼っておきます!
データ人材育成の鍵ーデータドリブン組織への道ー アーカイブ視聴
出典: Salesforce データ人材育成の鍵ーデータドリブン組織への道ー 2024年11月25日参照 https://www.salesforce.com/jp/form/events/webinars/form-rss/4755058/