売上予測・需要予測を軌道に乗せるためのポイント

売上予測・需要予測を軌道に乗せるためのポイント | Tableau-id Press -タブロイド-
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こんにちは。truestarの齋藤です。今日は「売上予測・需要予測を軌道に乗せるためのポイント」として、我々が今までのプロジェクトで経験してきた成功・失敗体験から、いくつかのポイントを共有したいと思います。

予測手法開発時点のポイント

モデル開発前からある程度影響しそうな要素がなんとなく見えている

全く予想もつかないようなものを予想するケースはあまりないと思いますが、自社商品の売上や需要の予測であれば、影響する要素がある程度見えていることが多いと思いますので、その場合はプロジェクト成功に一歩近づきます。機械学習・AIなどに魔法のような期待を抱いている方もいらっしゃいますが、影響する要素の予想がつかない場合や、影響していると思われる要素がデータとして取得できない場合などでは、予測精度が期待できなくなります。

データとして取得できない場合でも代替となる変数が取得できる場合もあります。たとえば競合製品の売上が自社に影響していると考えられる場合でも、競合製品の売上データが取得できなかったり、また将来のデータはもちろん入手が難しい場合があると思います。例えば競合の広告出稿量と売上の相関が高ければ広告出稿量を代替データとして使用できます。また将来については、競合の新製品情報などがあれば、新製品が出るタイミングをフラグ化して変数にすることもできます。

データがなくとも上記のような特徴量エンジニアリングによってカバーすることも可能です。

運用に耐えうる予測精度が定義できている

予測の精度が高い方がもちろん良いのですが、どの程度の精度があれば運用の際に問題がないか、精度の目標目安を定義する必要があります。運用を考えると必ずしも高い精度である必要がない場合もあり、そういった場合に精度の目標が高すぎると、精度を高めるために無駄な工数を使ってしまうことになります。

また例えば、予測は日別で行いますが、精度は月合計で目標値に達していればよいケースもあります。こうした精度の粒度についても考慮する必要があります。

予測の運用時点でのポイント

予測が業務フローに組み込まれている

我々がお手伝いさせていただいており、長くにわたり予測プロジェクトを回しているクライアントさんでは、業務フローに予測が組み込まれており、予測結果(とそのほかの情報)によって商品を生産するかどうかを決めていらっしゃいます。このように予測結果がないと業務が回らない状態になっていれば、必然的にプロジェクトが軌道に乗ってきます。またそのためには会社に対して業務フローを変える説得ができるくらい予測による成果が出ている必要がありますが…。

運用しやすい仕組みを作る

予測ツールが使いづらい、予測の方法が属人化している、といったケースですと、そもそも運用のコストが上がりますし、担当者がいなくなったとたんに回らなくなってしまいます。そこまででなくともマニュアルを見ただけではなかなか運用の理解が難しいケースもありますので、トレーニングプログラムの準備をしているクライアントさんもいらっしゃいます。

また予測モデルが特定のツールでしか予測できないような場合や、他のツールだと運用工数負荷が高くなる場合もありますので、予測モデル開発時点から運用方法・運用環境も考慮しておく必要があります。

複数の担当者が予測を行える環境である

上記の「属人化していない」と少し似ていますが、運用に回ったのちに予測を担当できる方がふたり以上いれば、安定して回すことができます。また複数の担当者が予測を行うことができるということは、結局のところ予測の運用フローが複雑ではないことも表しています。

運用の前から複数の担当者が運用を回す前提で仕組みを検討するとよいでしょう。

以上「売上予測・需要予測を軌道に乗せるためのポイント」をいくつか提示させていいただきました。みなさんの予測プロジェクトのお役に立てれば幸いです。

truestarではデータ活用に関する様々な業務を承っております。是非こちらからご相談ください。