Tableauはアメリカ生まれのBIツールのため、日本の一般的な基準と若干乖離が生じることがあります。
その代表例が日付データに関する機能です。
Tableauには、デフォルトで日付を会計年度に切り替える機能がありますが、
米国基準で4月を年度の開始月とすると
2013年1月⇒2013年度1月
2013年4月⇒2014年度4月
となります。しかし、多くの日本企業では
2013年1月⇒2012年度1月
2013年4月⇒2013年度4月
としています。そのため、表示上1年のズレが生じることになります。
また、Tableauの日付データは
年⇔四半期⇔月
というドリルアップ・ドリルダウンが自動的に設定されますが、
年⇔半期(⇔四半期)⇔月
という単位で数値をトラッキングする企業も多いと思います。
これらの解決策をワークシートにまとめました。
(Tableau Publicの仕様上、『2013年度』は英語表記の『FY2013』として表示されます。)
『1: 通常の日付データ』と『2: デフォルトの会計年度』は問題点の指摘です。
『3: 関数で調整・基礎編』では、関数で日付を1年ずらすことでこの問題を解消しています。
ただ、この場合は以下のような新たな問題が生じます。
新たに1年減算された日付が作成され、日付データが複数になります。
ファイルを共有した場合、アウトプットの表示上は会計年度ですが、データソース上では1年前の日付になるため、
エンドユーザーが困惑したり誤用したりするリスクが高まります。
そのため、使用環境によっては注意する必要があります。
次の『4: 関数で調整・応用編』は誤用リスクの課題を解決しています。また、この中で、
年⇔半期⇔月
の階層も実現しています。
ただし、この方法では新たに作成したデータ(ディメンション)は日付データとして認識されないため、
グラフの作成などに多少不都合が生じます。(『4: 関数で調整・応用編折れ線グラフ』参照)
『3: 関数で調整・基礎編』も『4: 関数で調整・応用編』も万能とは言えませんが
会計年度のズレという課題の解消は可能ですので参考にしてみて下さい。