【Data Cloud World Tour】「日清食品グループが推進する『”データドリブン経営”に寄与する基盤整理』」を聴講してきました

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やしろです。

2023/09/08に開催されたSnowflakeのイベント”Data Cloud World Tour”に参加してきました。
色々なセッションに参加してきたので、ご紹介させてください。

セッション概要について

今回レポートするセッションはこちらです。

「日清食品グループが推進する『”データドリブン経営”に寄与する基盤整理』」
登壇者:日清食品ホールディングス株式会社 執行役員 CIO グループ情報責任者 成田 敏博 氏
日清食品ホールディングス株式会社 情報企画プラットフォーム データサイエンス室 山縣 一慶 氏

時代の変化のスピードは加速し、テクノロジーも進化を続けます。このような環境下でも日清食品は「変わることのない企業の価値観」を提供し続けるために外部環境の変化に柔軟に素早く対応できるテクノロジーやデータを駆使した「データドリブン経営」を推進しています。
その中核となる「データドリブン経営に寄与する基盤整理」を推進するための取り組みについて、最も主要なコンポーネントであるSnowflakeをなぜ選択したのか、実例を交えてお話しさせて頂きます。

内容について

日清食品グループについて

単なるデジタル化ではなく、ビジネスモデル自体の変革を目指しNBX(=NISSHIN Buisness Xformation)を掲げているのだそうです。
これはDX推進部門のような特定の部署が牽引しているのではなく、
各部門がどうやってデジタルで良くしていくか、という全社を挙げてのプロジェクトとのことでした。

中期成長戦略として掲げた施策に対する課題

中期成長戦略として5つの施策うち、「”データドリブン”経営に寄与する基盤の整備」という目標のハードルが高く、いくつかの課題に直面していたようです。
・システム間のデータが繋がっておらず、データを同期するために人手によって作業
・データ利活用を促進するための集約・分析する基盤が整っていない
などなど、これらの課題を解決したのがSnowflakeでした。

Snowflake導入背景

出荷・納品・販売など、各ビジネスプロセスの段階でそれぞれ別のプログラムを導入しているため、”データの一元管理と各ツールの組み合わせが困難”という課題に直面していました。
この問題を解決するために、データとユーザの接点が大きなポイントであるSnowflakeを導入しました。
Snowflakeは組織横断でのデータ利用が可能で、スケーラビリティとパフォーマンスが高い点、そしてコスト効率が良い点が評価されたようです。

実際にどう活用している?

Snowflakeを導入することで、各フェーズばらばらのツールを使って管理していたデータを一元管理することができるようになりました。

これまでは出荷数と納品数を比較してみる、といったことも簡単には行きませんでしたが、こういった不便が解消されています。
このような各フェーズでのサイロというのはメーカー業界などにはありがちなことな気がしますね。
この他にも導入のメリットとして、スケーラビリティとパフォーマンス、またマーケットプレイスの存在などをあげられていました。
Snowflakeを導入した企業みんな、良かった点としてまず最初にあげられる点ですよね!

マーケティングとITの協働

データ活用において、トレードマーケティングチームとデータサイエンス室はこれまで接点があまりなかったものの、Snowflakeを導入したことによって組織の垣根を超えてコラボレーションが実現できたとのことです。具体的には
・案件の棚卸し
両部署で食品メーカーにおけるデータ活用ケースの洗い出しを行ったようです。それが以下のキャプチャです。


・潜在顧客抽出
潜在顧客を抽出するために、ID-POSのデータを使用して人物像特定のプロセスを構築しました。
商品を購入していない消費者の中でどんな人物が買ってくれそうか(=潜在顧客)を特定・予測します。
更にその潜在顧客から共通項を見つけ出すことで潜在顧客像を明確にし、様々な店頭施策・販売施策に活用しているのだそうです。


このプロセスはすべて、Snowflake上で完結させていると仰っていました。
データ処理のプロセスはすべてSnowflakeのタスクとプロシージャで制御し、モデル構築予測のところではSnowparkを活用しているそうです。

SnowparkはSnowflakeの開発者向けフレームワークです。
Pythonをはじめとした多言語にネイティブで対応しており、高速で効率的なデータ処理や大量データの分析、機械学習の開発などに非常に適してます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

今後の活用展望

1つ目はマーケットプレイス。
地理データや気象データといった外部データと組み合わせてデータを活用することで、より解像度高く購入者を理解し、有意な販売施策に結びつけていきたいとのことです。
2つ目は意思決定プロセスの短縮化。
ビジネスサイドがよりデータに近いところで意思決定できるような環境を構築していきたいと仰っていました。
そのために、Streamlitを使った”潜在顧客抽出の分析アプリ”も開発中!とのことでした。

所感

実を言うとこれまでこういったセッションで活用事例を聞く機会があまりなかった(イベントには参加していたのですが、ついつい機能紹介の方ばかり参加しがちでした)ので、
データの蓄積や整形にとどまらずSnowparkまで活用して分析、さらに可視化まですべてSnowflakeという一つのプラットフォーム上で完結させている事例というのを直接目にしたのは初めてでした!
データエンジニアとデータサイエンスの結びつきをスムースにするのはなかなか難しいところがありますが、このように簡単に実装できるのはSnowflakeならではだと思います。

まさにNO SILO THE DATA!ですね。

おわりに

truestarではSnowflakeの検討、導入支援や環境構築からアプリ開発まで幅広くサポート可能です。
Snowflakeに゙興味がある、導入済みだけどもっとうまく活用したい等々ありましたら、ぜひこちらからご相談ください!