こんにちは。truestarの戸塚です。
truestarブログでは毎週 #Exploratory の様々なトピックについて紹介していきます。今日はV6.4の新機能、残存効果の計算をしてみたいと思います。
広告の残存効果とは
例えば今日見た広告は翌週や翌々週も覚えていることがありますよね。広告は出稿したその時だけではなく、しばらくの間消費者の意識や行動に影響を及ぼすことがあり、それを残存効果といいます。
truestarではMarketing Mix Modelingをはじめとする広告効果測定を実施していますが、その際は必ず広告の残存効果を推定しています。
これまではAlteryxなどを使って残存の計算していましたが、Exploratoryでドンピシャの機能が追加されたので試してみたいと思います!
(今回の記事は残存効果の推定方法ではなく単純な計算方法についてのご紹介です)
具体例
今回はテレビCMを例にします。
CM総合研究所調べによる2020年度CM好感度ナンバーワンブランドのauのホームページからCMのシリーズ名をお借りして、ダミーの出稿量を2年分作成しました。
例えば前月の効果が翌月に30%残る=残存率30%と仮定した場合、以下のように「当月+前月×30%」で計算します。
Alteryxでやってみる
上記のExcelでの計算をAlteryxで試してみます。
一度縦持ちにしたあとにMulti Row Formula Toolで計算しました。最後に横持ちに直してアウトプットします。
計算はできましたが、Cross Tab Toolで横持ちにする際に列名の表記が少し変わってしまいました。また、残存効果を計算する前にソートしているので列の順序も変わっています。これらは別途対応する必要がありそうです。
Exploratoryでやってみる
いよいよExploratoryの新機能を使ってみます。
データをインポートした後計算したいすべての列を選択し、計算を作成(複数の列)を選びます。
あとは計算エディタで式を書くだけです。cumsum_decayed(列名 , 残存率)で計算できます。
できました。なんと簡単。列名の表記、順序も問題ありません。
さいごに
広告出稿データを扱って分析する人にはとてもありがたい機能ですね。
今回は残存率を仮で30%としましたが、この値をどのように設定するかがモデル構築のポイントの一つになります。それはまた別の機会にご紹介できればと思います。
truestarでは様々なデータ分析業務を承っています。こちらからぜひご相談ください。