アドベントカレンダー3日目!よろしくお願いします!
いきなりですみませんが、仕事で新しい領域を任されるとうまくいかずに辛いこともありますよね。。
私も現在は今までとは異なるプロダクトの開発に携わり日々奮闘しています。
そんな状況に何かしらの改善策を見出したくて、読んだ書籍の紹介をしたいと思います!
『プロダクトマネージャーのしごと 第2版』
『プロダクトマネージャーのしごと 第2版』はいわゆるベストプラクティスのような理想的な仕事進め方の紹介ではなく、
プロダクト開発で直面するだろう胃が痛くなるような現実の問題に対しての心構えや対処法が書かれていました。
また、プロダクトマネジメントの仕事がどのようなものか?という点について説明するものではないので
細かい業務内容を知るという目的で読むと期待される知識は得られないかもしれません。
ですが、実際に開発を行う上で非常にためになる、特に困難な仕事に対しても覚悟を持てる気持ちにさせる本なのでプロダクト開発に関わる人であればおすすめできる本だと思います。
印象に残った点
全編を通して語られるのは、プロダクト開発においては何の問題も起こらず理想的な状況が続くということはない、というメッセージだったように感じます。
著者やインタビューを受けたマネージャーたちの失敗談や学びが共有される中で、これから自分に起こりうる問題やそれに対する対処法を学んでいくことができました。
その中でも特に印象に残ったのは、メンバーやステークホルダーとのコミュニケーションの取り方に関して書かれていた部分です。
初歩的な話かなと思うのですが、意外と意識しなければできないなと感じたので2点について説明します。
「心地よさより明確さ」
プロダクトマネージャに最も重要なスキル(その頭文字から『COREスキル』と著者は説明していました。)「コミュニケーションスキル」「組織力」「リサーチスキル」「実行力」は4つだと定義しています。プロダクトマネージャーはユーザー、エンジニア、経営陣など、さまざまなステークホルダーとコミュニケーションをとる必要があるため、相手の立場に立ってわかりやすく伝えるスキル、相手の話を傾聴するスキル、効果的なプレゼンテーションスキルなどが必要となります。
その中で、コミュニケーションの行動指針は「心地よさより明確さ」と強調していました。
それを物語るエピソードが紹介されていたので一部引用します。
たとえば、参加しているミーティングで数週間前に自分たちが優先順位を下げることを決めた機能について、ふと幹部が言及したときに、そのことだと気づくかもしれません。気まずい雰囲気を作りたくないので、言及された機能について全体のプロダクトリリースから見たら小さな部分だし、おそらく大事にはならないだろうと考えてその発言を無視したくなります。でも、幹部の立場から見ると、あなたの沈黙は暗黙の了解として、プロダクトのリリースに含まれると解釈するかもしれません。明確さが欠如した結果、些細なことで済むかもしれませんし、大事になるかもしれません。
このような場面は皆さんも直面したことがあるのではないでしょうか。(私はあります。。思い出したくない。)
ここで起きていることは、一時の心地悪さを恐れて、幹部の期待を明確にできなかったことだと思います。その結果大きな問題につながることも容易に想像できますね。自分とチームのために、明確さを手に入れるために心地悪さを乗り越えるということが重要だと感じます。
また、コミュニケーションスキルを自分自身で評価できる質問として以下のようなものを紹介していました。こちらも活用していきたいですね。
・やっていることとその理由をチームが明確に理解をしているか確かめるために、必要な質問や会話のファシリテーションをしているか?
・ユーザーやビジネスにとってより大きなアウトカムを得られそうだと思ったとき、他のチームやプロダクトマネージャーに積極的に働きかけにいくか?
・連絡してきたステークホルダーに素早く、思慮深く反応しているか?
・解決策になりそうなことを探しているとき、いつも選択肢をいくつか示して、それぞれのトレードオフをステークホルダーに説明しているか?
あたりまえを問う
『4章:過剰コミュニケーションの技術』にはこのようなエピソードが記載されていました。
チームとミーティングをしているときを想像してください。開発者はプロダクトの詳細について早口で話していますが、以前に経営陣と合意した話と、ほんの少し違うような気がします。あたなたはそわそわしますが、チームの開発者は勘違いをしているだけだ、チーム全員がプロダクトの仕様を理解しているだろうし、会話を遮って開発者を不快にさせるようなこともないだろう。いずれにせよ些細なことで、誰も気づかないことだから問題ないになるなんてありえない。と自分を納得させました。
しかし、その2週間後の経営陣に向けたプロダクトのデモでは経営陣から「このようなものを開発するように頼んだ覚えはない」と言われてしまい、全員の視線があなたに刺さります。(要約)
以上は要約ですが、このような状況は他人事ではないと思います。いつでも起こりうることだと思います。
そのような状況においての対処策の一つが「あたりまえを問う」ということでした。
また、書籍のなかでは過去にプロダクトマネジメントについて書かれたドキュメントから以下のような言葉を引用していました。
「良いプロダクトマネージャーは、あたりまえのことを必要以上に明確に説明しようとする。悪いプロダクトマネージャーは、あたりまえのことを絶対に説明しない」
なぜあたりまえのことを説明することが重要なのかは、「自分があたりまえと思っていることも、他の人には当たり前ではないことがあるから」だと語っています。
過剰なコミュニケーションが引き起こす問題は、あきられるか、嫌みの1つ2つぐらいがせいぜいだろうと著者は言っています。確かに、そのような問題と引き換えに上記のような大きな問題を引き起こすリスクが抑えられるなら過剰にコミュニケーションをとったほうが良いだろうと思えます。
どんな読者におすすめ?
本書には紹介したような形で、実際にプロダクトマネージャーやその開発現場のメンバーが直面する様々な場面を紹介し、それらからの学びが数多く記載されています。
そのため、マネジメントを行う方だけではなく実際に開発現場に関わる全員におすすめできる本だと思います。
まとめ
紹介したようなエピソードはいつでも起こりうるものですよね。できるだけそれらを避けられるように、上記のコミュニケーションの取り方については強く意識していこうと思いました!
以上アドベントカレンダー3日目でした!