エリアマーケティングとは?実践的な手法も紹介!

エリアマーケティングとは?実践的な手法も紹介! | Tableau-id Press -タブロイド-
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こんにちは、r.itoです!

若者を中心に需要が急増したインスタ映えや新型コロナウイルの出現による営業時間の設定など、最近の店舗マーケティングには環境に合わせて対応する柔軟性が求まられています。しかし、依然として変わらないのはエリアマーケティングの重要性です。この記事では、店舗経営に欠かせない「エリアマーケティング」の重要性を解説し、その手法の1つである「商圏分析」の意味と具体的な方法についても紹介していきます!

エリアマーケティングってなに?

エリアマーケティングの意味

まず、エリアマーケティングの意味を確認しましょう。エリアマーケティングとは、「特定のエリアに焦点を当て、その地域の特性や顧客に向けたサービス・広告を提供することで効率的かつ効果的に集客を行おうというマーケティング手法の1つ」です。要は店舗周辺の特性に合わせた戦略をたてよう!ということです。エリアマーケティングでは、人口や年収・人流などの顧客情報や地理的情報、競合情報などを調査します。

エリアマーケティングの重要性

難しい話をしても分かりにくいので、ここではシンプルな具体例を挙げてエリアマーケティングの重要性を解説します。例えば、普段は都内のデパートなどに出店している1着数万円もするような有名ファッションブランドが、「新規顧客を獲得しよう」という目的で地方の下町にオープンしたとします。ブランド店の品質は素晴らしいですが、下町にはカジュアルで小さな個人店が多く集まっています。では、このブランド店は売り上げを伸ばすことができるでしょうか

ブランド店の商品自体は魅力的ですが、その魅力はお客様1人1人への丁寧な接待や高価なものを持つという行為そのものにあります。都内のデパートと地方の下町とでは顧客の年収や年齢層、競合店も異なります。地方の下町では、高価で質の高いサービスと商品よりも、安価で着やすい服や入りやすい店舗づくりのほうが多くの顧客を獲得できるでしょう。そのため、ブランド店がいかに有名で商品力が優れていても、都内のデパートと同じような店舗経営では売り上げを伸ばすことは困難でしょう。

エリアマーケティングを取り入れれば、ブランド店は下町に合わせた価格の商品を提供するでしょうし、仮に値下げによりブランド力が低下してしまうのであればそもそもそこへ出店すべきではないという結論に至るでしょう。上記は極端な例ですが、顧客の好みや属性、競合の有無など、既に自店舗があるまたは将来的に出店するエリアの情報を把握することは、店舗の命運を分けるといっていいほど大切なことです。

何をすればいいの?

少し長くなりましたが、エリアマーケティングの重要性は理解してもらえたかと思います。では実際に何をすればいいのでしょうか?エリアマーケティングを考える際によくセットで取り扱われるのが商圏分析です。店舗経営において商圏とは、「集客が見込める範囲」のことであり、その「商圏を顧客や競合などの様々な観点から分析すること」が商圏分析です。ここからは商圏分析の具体的な方法について、紹介していきます!

商圏分析の方法3選!

商圏分析は非常に奥が深く、業種や地域によってやるべきことも多岐に渡ります。必要なことをすべて羅列しても、「結局どうすればいいかわからない」となってしまうでしょう。ということで今回は、「Alteryx」というETLツールを使った実践的な商圏分析の手法を3つ紹介します!

Alteryxとはノーコードで簡単なデータ分析が行えるプラットフォームです。データ分析というと、何やら難しいと感じてしまうかもしれませんが、Alteryxでは、皆さんがよく用いるであろうExcelによる作業をより早く、より分かりやすく行うことができます。実際にAlteryxを用いて商圏分析をしてみましょう!

顧客属性を把握する!

商圏分析で欠かせないのが、顧客属性の把握です。顧客属性とはお客様の性別や年収、居住地といった様々な情報のことで、総務省統計局のデータを利用すれば、都道府県ごとの世代別人口や世帯年収分布などの情報が無料で入手できます。

これをAlteryxに読み込ませることによってExcelよりも簡単に加工ができます。以下の画像は実際にAlteryxで総務省統計局のデータを読みこんで加工したワーククローです。見てわかるようにツールを繋ぐだけで簡単に分析が行えます。

Alteryxでは、膨大なデータでも高速で処理することが可能です。また、ワークフローやデータを組み替えれば、店舗付近のデータのみを抽出することも可能ですし、右図のように全国平均との差を求めることも容易です。これにより、店舗周辺の顧客の特徴を把握し、他の地域との比較も行うことができます。

GPSで分析する!

さて、商圏内にどんな顧客がいるかは分かりました。次は「顧客の動き」を見ていきましょう。右図は、各店舗における月別の来店者を集計したものです。

Alteryxでは、ほかにも曜日別や週別などの様々な条件で集計が可能であり、分析の幅を広げることができます。GPSデータを分析することで売り上げなどの数値からは見えない情報も確認できます。

用いるGPSデータによっては、性別やどこから来たのか、年収などの顧客属性も含まれており、先に集計したエリアの顧客情報と比較することで、来店者がその地域に住む人なのか観光客なのか、仕事帰りの人なのかなど、より詳細でリアルな顧客属性を把握することもできます。

上図は各店舗における来店者の集計ですが、集計方法を変えれば顧客がどこをどのように移動しているのか、すなわち「人の流れ」を把握することもできます。自店舗に来てもらうための「動線」を意識しやすくなるため、人流データは非常に重要です。Alteryxを用いれば複雑なデータも分かりやすく分析することができます。

競合を把握する!

最後は競合の位置と数を把握しましょう。「そんなものGoogle mapで見ればわかるじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、競合になりえるのは同業種のみでなく価格帯が近い店やコンセプトの似た店など様々であり、エリアによっても変化します。また、飲食店を中心に小売店の出店情報は日々変化します。

Alteryxには空間分析用のツールが充実しているため、自店舗の商圏内にいくつの競合が存在しているのか、またどこにあるのかという空間情報を正確に把握できます。さらに、読み込むデータを更新するだけで、ワークフローを組みなおすことなく簡単にデータが更新できます。下図は、Alteryxで店舗周辺の競合の位置を可視化したものです。「2号店」の周囲5km以内に複数の店舗があることが分かります。

また、下図の右上のようにたった1つツールをかませるだけで競合が何店舗あるのか集計し、定量的に確認することもできます。下図の左側がツールの設定になっていますが、店舗の名前(shop_name)でグループ分けをして周囲の店舗(Universe_shop_name)をカウントしただけです。アクションの内容が文字で確認できることも、Alteryxの使いやすさの1つです。上図で見た「2号店」の周りには12店の競合があることが分かりました。このデータは見本ですが、実際のデータにはブランド名や店舗名など様々な情報を含めることで付加価値を高めることができます。

終わりに

以上、エリアマーケティングの意味と重要性、手法の1つとしての商圏分析とAlteryxを用いた分析方法を紹介いたしました。Alteryxは処理が非常に高速で汎用性の高いツールであり、ワークフローが可視化されているためメンバー間で共有もしやすく、ミスも確認しやすいです。また、ツールをドラッグアンドドロップするだけなので他のプラットフォームに比べて操作方法が分かりやすいのも魅力の1つです。

Alteryxでは、一か月間の無料トライアルを行っています。皆さんもこれを機にAlteryxを利用したエリアマーケティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました!